コラボ Collab
2025.02.07
著名クリエイターとともに、新たなものづくりに挑戦!(第2回)

「えどコレ!」選定事業者と、第一線で活躍するクリエイターがタッグを組んで新商品開発に取り組むコラボ企画。それぞれの事業者の優れた技術を活かして、「えどコレ!」オリジナルアイテム制作にチャレンジしています。今回は試作品の進捗をお伝えします!
暖かい日差しが降り注ぐ2024年12月某日。「無印良品 銀座」の柳俊輔さんと中河拓夢さんは再び、江戸川区にやってきました。目的は開発商品に関する2回目の打ち合わせ。
ともに企画を進める江戸川区の3事業者、「しめ縄」の縄忠さん、「へら絞り」の髙橋鉸工業さん、「江戸風鈴」の篠原風鈴本舗さんでは、前回の打ち合わせで協議した開発商品の試作品づくりを進めていました。柳さんは「みなさんがどのようなアイテムづくりに取り組んでいるのか、とても楽しみです」と顔をほころばせます。
まず訪問したのは縄忠さん。

年末のしめ縄発送手配で多忙を極める縄忠の首代さん(右)。豪華なしめ縄を紹介してもらい、目を輝かせる柳さん(中)と中河さん(左)。
前回の打ち合わせで「しめ縄を若い世代、そしてより多くの人たちに継承していきたい」と熱い想いを語った首代さん。そのリクエストに応えるべく柳さん、中河さんが提案したのは「自分で装飾ができるしめ縄」です。
「完成品ではなく、自分でオリジナルのしめ縄がつくれるキットがあれば、しめ縄に直接触れる機会が増えるとともに、愛着をもって部屋に飾ってくれるのではないでしょうか?」(柳さん)
早速そのアイデアを取り入れて首代さんが作成した試作品が、「牛蒡(ごぼう)しめ」と呼ばれる細長いしめ縄と装飾用のいな穂のセット。自分で自由に取り付けられるよう、しめ縄と稲穂が別々になっています。

「牛蒡(ごぼう)しめ」と装飾用のいな穂のセット。
「近年はお正月にしめ縄を飾る家庭もずいぶん減ってきました。しめ縄は神話の時代から引き継がれてきた日本の古き良き文化。その文化を未来に継承していくには、多くの方にしめ縄を身近に感じてもらう必要があります。今回の取り組みは、まさにその課題解決に向けたきっかけになりそうな気がします。誰もがオリジナルしめ縄をつくることができる仕様なので、若い世代だけではなく、お子さんと一緒にお父さんやお母さんにもぜひ楽しんでもらいたいですね」と首代さん。


「誰でも簡単に取り付けられるよう、紐も用意する予定です」(首代さん)
「自分の手でオリジナルのしめ縄がつくれると、愛着が湧きそうですよね」(中河さん)、「いな穂だけではなく、季節のお花やお店で手に入るオーナメントなど、工夫次第でいろいろと演出できそうです。そうすれば季節を問わずインテリアとしてのしめ縄ができますね」(柳さん)
「お二人とお話しすることで改めてコンセプトが固まったので、これから細部を調整していきます」と首代さん。出来上がりがとても楽しみです!

「みなさんに関心を持ってもらえるよう、封入袋やネーミングにもこだわりたいです」(首代さん)
続いて訪問したのは髙橋鉸工業さん。前回髙橋社長との打ち合わせで盛り上がったのは「ペット用品」。無印良品でも2023年末よりペット商品を新たに販売し始めたばかりということや、中河さんのご実家でプードルを飼っているという話から、「ドッグトレー」に着目しました。
すでに髙橋鉸工業のオリジナルブランド「 TASHIKA 」でも受注生産でドッグトレーを手がけていることもあり、二人の知見をさらに活かす形でブラッシュアップ、「えどコレ!」仕様のドッグトレー開発に取り組むこととなりました。



中河さんのプレゼンテーション資料。事前にTASHIKAブランドのトレーをお借りし、中川さんの愛犬が実際にどのような反応を示すのかをリサーチしました。
「犬種によって鼻の高さが異なり、食べやすいトレー、食べにくいトレーがありました。トレーを置く床が傷つかない、使った時にずれないといったポイントも飼い主にとって気になるところです。美しくスタイリッシュなフォルムは髙橋鉸さんの技術ですでに実現されているので、あとは飼い犬、飼い主にとってベストなトレーになるよう細部にこだわりたいです」(中河さん)

「とことんこだわって飼い主にも喜んでもらいたい」(髙橋社長)ということで、ペット名の銅板ネームタグもトレーに取り付けることに!
中河さんの提案を受けて、トレーの形状、サイズ、高さについて意見交換を行いました。
また飼い主に永く愛用してもらえるよう、ペット名の銅板ネームタグも取り付けようといったアイデアも。
「ペットショップで売っているドッグトレーは、あまり心ときめくものがないんです。こだわりの強い飼い主に「これが欲しかった!」と言ってもらえるような、ほかにはないスタイリッシュでかっこいいドッグトレーを作りたいです」(髙橋社長)
アイデアマン・髙橋社長と無印のお二人が手がけるドッグトレー。
いったいどんな仕上げになるのでしょうか? ワクワクが止まりません!

「唯一無二のドッグトレーを作ります」と力を込めて語る髙橋社長。
最後に訪れたのは江戸風鈴を手がける篠原風鈴本舗さん。柳さんは、原色系の色味をした風鈴、特に朱色の風鈴に対して、そのルーツとストーリーに興味を持ったといいます。

「我々が働いている銀座をモチーフにした風鈴にとても愛着を感じました」(柳さん)
「風鈴の歴史を紐解くと、もともと平安時代に中国から伝わり、当時は魔除け道具として軒先に吊るされていたといわれています。また、偶然にも我々が勤務する無印良品の店舗が銀座です。そういったご縁もあり、ぜひ篠原さんに「銀座」をモチーフにした風鈴をお願いしたいと強く思いました」(柳さん)
早速、篠原さんにサンプルを制作してもらいました。こだわりは、朱書きの風鈴に「柳の木」「ガス灯」のイラストを描いた点です。
「赤い背景でも目立つように、ガス灯は黄色のみで仕上げました。また、実際に銀座に植えられているシダレヤナギの葉をイラストに反映させました」(篠原さん)

試作品の風鈴
「フォルムと色遣い、そしてなによりも柳の木とガス塔が愛らしく、素敵な仕上がりになりそうです」(柳さん)
「銀座の高級感を演出するために、梱包する箱にもこだわりたいですね」(中河さん)
風鈴の涼しげなイメージとは一線を画し、バックの朱色がガス燈の暖かみをさらに引き立てた、とても可愛らしい雰囲気に仕上がった風鈴。銀座への観光客もお土産にしたくなるような風鈴ができそうです!
少しずつ全体像が明らかになってきた、コラボ開発商品。2月のイベント本番でお披露目できるよう、各事業者で最終仕上げが進められています。
次回はいよいよ完成品の発表!
2月のイベント情報も近々公開するので、ぜひ足を運んで実物を見てくださいね!