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2025.06.30
お知らせ
えどコレ!工房体験ツアー初開催! 7名が陶芸絵付け&ブルーベリー摘み取りを体験

6月15日(日)、えどコレ!初となる工房体験ツアーが開催されました。家族連れを含む7名の参加者が、事業者の「甲和焼 芝窯(れいしよう)・nicorico」と「ブルーベリーファーム東京」をめぐり、陶器の絵付けやブルーベリー摘みを体験。ツアー当日の様子をレポートします。
「甲和土」でつくられたお茶碗の絵付けに挑戦!
梅雨の小雨がちらつく日曜日。ツアー参加者が続々と集合したのは、小岩にある甲和焼 芝窯・nicoricoの工房です。

甲和焼 芝窯・nicoricoでは、ご飯茶碗への絵付けを体験します。

テーブルに並べられた、素焼きのご飯茶碗と専用の絵の具。
絵付け体験の道具を前に、子どもたちは早くもワクワクが止まらない様子。陶芸家の林理子さんが、甲和焼や工房についての説明を行います。

「陶芸作品が完成するまでには、実はたくさんの工程があります」と理子さん。陶器と磁器の材料の違いなど、陶芸家から直接、話を聞ける機会とあって、参加者はみな興味津々です。
「甲和焼」とは小岩の粘土が使われた焼きもののこと。小岩が奈良時代に『甲和里(こうわり)』と呼ばれていたことが由来だといいます。現在、工房が立っている場所で採取した土からも粘土を作ったという理子さんの説明に、参加者は床下を見つめながら、想像を膨らませていました。

参加者に粘土を掘り出した時の写真を見せる、甲和焼 芝窯の創業者で陶芸家の林信弘さん。
個性あふれる器が続々と完成!
小岩と甲和焼のつながりについての説明が終わると、いよいよ絵付け体験開始。理子さんが、金属の粉で作られた絵の具の特徴や使い方、きれいに描くコツをレクチャーします。
作業が始まると、工房はシーンと静かに。作業に没頭しているのは子どもたちだけではなく、久しぶりに絵筆をとった大人たちも同じ。黙々と絵筆を動かします。絵付け体験の時間は1時間ですが、30分もすると、参加者それぞれのご飯茶碗が完成し始めていました。

4歳のお子さまは絵付け初体験。「陶器を扱うのに4歳は早すぎるかな?と心配だったんです」と話す保護者に「1歳のお子さんがいらしたこともあるので大丈夫です!」と理子さん。

絵付けが終わった器はこの後、釉薬(うわぐすり)を塗って1200℃の窯で焼き、ゆっくり時間をかけて冷やします。完成品は約2カ月で参加者の自宅に配送予定とのこと。

家族3人のテーブルには、いつの間にか、かわいい粘土の恐竜が誕生していました。

えどコレ!スタッフも体験。つい張り切ってしまいました。
絵付けを終え、楽しそうに焼き上がりを待つ参加者の皆さん。「想像したより描くのが難しかった」、「身近な存在である焼き物の奥深さに触れられる、貴重な体験だった」という感想が次々と飛び出します。ワイルドなタッチで豪快に取り組んでいた子どもたちは「楽しかった!」とご満悦。
世界にひとつの、個性あふれる器の完成です。

絵付け体験の後には、甲和焼 芝窯(れいしよう)・nicoricoの工房内を見学する時間です。ろくろを見たり、冷却中の窯を覗かせてもらったり。
ブルーベリーファーム東京で、旬のブルーベリーを摘む!
そうこうするうち雨が上がり、すっかり蒸し暑くなった小岩。次の目的地は、ブルーベリーファーム東京です。普段はなかなか都心で見ることのない、ブルーベリーの木が並ぶ農園に、参加者たちの胸は期待にふくらみます。

バス停を降りて少し歩くとすぐ、ブルーベリー農園が現れます。
農園の入り口で出迎えてくれたのは、代表の矢野高之さん。体験前に、ブルーベリーについてのお話を聞かせてくれました。

ブルーベリーの種類と産地を示したマップを指差しながら、矢野さんが東京のブルーベリーの魅力を説明。
「日本でいちばんたくさんブルーベリーを生産しているのは、どこの都道府県だと思いますか?」と問いかける矢野さんに、首を傾げる参加者たち。「実は東京都なんです!」。意外な答えに会場が沸きます。
「東京都はブルーベリーの生産量だけでなく、消費量も日本一。自分たちでたくさん作って、自分たちで食べているんです」(矢野さん)
参加者からは「まさに地産地消なんだ」との声が上がりました。
スーパーで売られているブルーベリーの多くは海外で生産されたもので、輸送に時間がかかるぶん、皮の厚い品種が多いそう。「うちのブルーベリーは収穫してすぐ食べていただけるので、皮が薄くてジューシーな品種ばかりです」と、矢野さんは話します。

甲和焼の林さん親子も参加。「ブルーベリーの摘み取り、いちど体験してみたかったんです!」と楽しそう。
いよいよ摘み取り体験の始まり。参加者は待ちきれないといった面持ちで農園の入り口に並び、摘み取ったブルーベリーを入れるプラカップを受け取ります。
「今、食べ頃を迎えているのはノースカロライナ系とニュージーランド系の品種です。当園は食べ放題ではありませんが、味見はOK。試してみて、気に入ったブルーベリーを詰めてください」(矢野さん)
収穫方法などの説明を受け、ついにブルーベリー摘みがスタート!

親子で甘い品種の木をめぐる参加者。甘さの質も、品種によって微妙に違うことに気づいたとか。「『オニール』という品種が甘くて気に入りました」

えどコレ!スタッフは、プラムのような酸味が特徴の「シャープブルー」の虜に。プラカップは思いの外大きく、摘んでも摘んでもなかなか満杯になりません。
参加者のカップがブルーベリーでいっぱいになった頃、体験は終了です。

農園の前で記念撮影。好みのブルーベリーをたくさん摘み、嬉しそうな表情の参加者たち。
参加された皆さんは、甲和焼 芝窯・nicoricoでの絵付け体験と、ブルーベリーファーム東京でのブルーベリー摘み体験を満喫した様子。えどコレ!事業者の魅力を存分に堪能できる体験ツアーとなりました。
江戸川区では他にも、魅力的な事業者をたくさん紹介していきます。「えどコレ!工房体験ツアー」の今後にも、乞うご期待ください!
Writing 加藤由梨